船越学童保育の会
(旧田浦町役場)

大正期の建築でありながら、今も学童保育の施設として現役で使われている建物です。
当初は、震災によって崩壊した田浦町役場の新庁舎として建てられたものとのことですが、
県調査の資料では、大正5年の築とされていますので、あるいは震災前の建物を補修したものかもしれません。
昭和8年、田浦町が横須賀市へ編入された後も、同市の支所建物としてそのまま使用され、
その後は、田浦行政センターの分室や公民館として使われていた時代もあります。

建物はこの時期の町役場建物としては珍しい、 R.C.造によるもの。
大分改修がなされているようですが、エントランスのファンライト(半円状の明り取り)や
古い窓枠も一部残されており、往時の雰囲気を偲ぶことができます。
建物の寿命としては、「晩年」の時期にさしかかっていると思いますが、
にぎやかな子供達の声を聞きながら過ごす余生は、建物にとって幸せなことでしょう。

Data
所在地:横須賀市船越町6-5
構造:R.C.造2階
設計:
施工:
建築年代:大正15年(大正5年?)

通りから奥まったところにあり、雰囲気ある植栽など、独特の空間をつくりあげています。



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