東芝ライテック横須賀工場@ 管理棟(NO.100)
(旧海軍工廠造兵部本館)
横須賀の旧海軍建築といえば、どれも厳めしいものばかりとの印象もありますが、
まるで教会建築のように美しい建物が存在します。
東芝ライテック横須賀工場の管理棟。
もとは旧海軍工廠造兵部の本館と製図工場として使用されていた建物です。
大正初期の設計ながら、実にモダンで洗練されたデザインだと思います。
玄関を中央にしながらも、シンメトリックにはなっておらず、
向かって左端のおそらくは階段室と思われる部分は、塔のようにデザインされており、
スリット状の3本の明り取りと、その上の半円窓の配置の妙。半円窓の柱がスリットの延長上にあるのがミソです。
そして、塔の柱に刻まれた模様は、何かの植物を抽象化したものでしょうか。建物へやさしい表情を与えています。
また、この「植物様デザイン」は、屋上のフェンスにも連なっており、これがまた良いのです。
近代化遺産群であった、川崎の東芝堀川事業所がなくなってしまった今、
同系列会社であるこの建物だけは、何とか残していただきたいものですね。
Data
所在地:横須賀市船越町1-201-1
構造:R.C.造2階
設計:
施工:
建築年代:大正2年
備考:旧海軍施設部 |
(C) 近代建築アーカイブクラブ All Rights Reserved.