大原隧道・東隧道

関東大震災後、復旧事業の一環として開削されたものです。
設計が「横浜市水道局」になっている理由は、地域の給水拡張のため、
水道路敷設を主とした目的であったからです。
(現在も、トンネル地下に埋設された水道管は生きているそうです。)

この大原隧道に見られる、建築様式に則った坑門のデザインは実に素晴らしいです。
紫色の煉瓦(焼過煉瓦というそうです。)をフランス積風で積み上げ、
花崗岩で造られた、力強いトスカナ式のオーダーは、まるでトンネル上部の岩盤を支えているかのようです。

一方、JR保土ヶ谷駅近く(保土ヶ谷区岩井町)には、このトンネルと同時期・同目的で開削された「東隧道」があります。
高さ6.3m、幅5.7m、延長168.71mになるもので、こちらも横浜市認定歴史的建造物の認定を受けています。(仁木)

Data
所在地:横浜市南区清水ヶ丘76-10
    〜南区南太田2-222
構造:R.C.造(入口部煉瓦・花崗岩)
設計:横浜市水道局
施工者:不明
建築年代:昭和3年
備考:横浜市認定歴史的建造物

夏はとても涼しいです。私も少年時代は涼んだり、夜は肝試しなどをやりました。
高さ3.62m、幅2.44m、延長は254mにも及びます。             



大原隧道のある南区清水ヶ丘はその地名の通り、地下水がそこかしこに湧き出る場所です。
トンネル付近にもやはり清水が湧いている場所があり、
最近になって横浜市が獅子頭共用栓を設置しました。
この共用栓は明治期のオリジナルものでいくつとない貴重なものです。
市も洒落たことをやってくれるものです。




大原隧道と同時期(昭和5年)・同目的で開削された東隧道。車二台がすれ違える幅があります。
こちらは大原隧道と比較してやや立体的な柱と、コーニス風の装飾が印象的です。
材料も大原隧道と同様に焼過煉瓦と花崗岩によるもの。 横浜市認定歴史的建造物。



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