日本基督教団横浜指路教会

指路教会はアメリカ人宣教師ヘボンによって建てられたものです。
彼は有名なヘボン式ローマ字の生みの親であり、また医師でもありました。
ただ、「建てた」といってもヘボンが力を注いだのは明治25年に完成した教会(サルダ設計)であり、
現在の建物は震災後に建て替えられたものです。
また「指路」という教会名は、ヘボンの母教会名「SHIRO」をそのまま採用したものであり、
「路(みち)を指す」とはうまい当て字だなと思います。

建物はゴシックを基調とした骨太な意匠。
コーナーにあるがっちりとしたベルタワーや、入口を取り囲む列柱、その上部の美しいバラ窓等が特徴です。
戦災の影響が大きく、終戦後内部の大改装を行っていますが、バラ窓に張られていたステンドグラスは失われたままです。
また、平成に入ってからも内外の改装が行われています。
西暦2000年は、イエス・キリスト生誕2000年祭に、ヘボン夫妻来日140周年、指路教会創立125周年が重なって
大いに盛り上がっていたようです。念願の大型パイプオルガンも導入されました。

ところで、尾上町界隈の近代建築物は、加藤電気工業、佐藤眼科、
明治屋本店などが失われた現在、とうとうこれ1棟を残すのみとなってしまいました。
しかし、第一期(昭和63年)の横浜市認定歴史的建造物の認定を受けていることからも分かるように、
当教会は保存に前向きであり、これからもずっと大切されていくことと思います。(仁木)


Data
所在地:横浜市尾上町6-85
構造:R.C.造3階
設計:竹中工務店
施工者:竹中工務店
建築年代:大正15年
備考:横浜市認定歴史的建造物

尖塔アーチが美しい建物。山手カトリック教会や、海岸教会と並び、
横浜を代表する教会建築です。(写真提供:中山さん)       

 

バラ窓の12枚の花びらは、イエスの12人の弟子を表しています。



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