横浜税関

「クイーン」の愛称で親しまれ、その名前のとおり、気品溢れるこの建物は、
大桟橋近くの港沿いにあり、白鳥が翼を広げたような美しい姿を港へ入る船へと向けています。

当初計画案では、神奈川県庁舎より2メートル低い設計でしたが、
「国の建物が、県に負けるとは何事か」という、当時の税関長の一言でプランはあっさり変更となったそうですが、
しかし、建設にかけられる予算は定められていたことから、わざわざ5階フロアに費やすはずの予算を削ってまで
塔の建築につぎ込んだという逸話も残っています。

外観を保存しながらの大規模な増築工事も無事終了し、港の白鳥は、これからも飛び立つことはないでしょう。(仁木)

Data
所在地:横浜市中区海岸通1-1
構造:S.R.C.造5階
設計:大蔵省営繕管財局
施工者:戸田組
建築年代:昭和9年
備考:横浜市認定歴史的建造物

できれば横浜そごう〜山下町の定期船(シーバス)に乗って
この姿を海から見て欲しいですね(写真は大桟橋から)  


改修前の写真。その後ろには建設中の大桟橋の姿も見えます。



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