横浜地方気象台
(旧神奈川県測候所)

横浜地方気象台。ラジオ・テレビ等の天気予報ですっかりお馴染みです。
どんな現代的な建物から、最新の天気情報が発信されているのかと思いきや、
実は昭和初期に建てられた渋い渋いレトロ・ビルディング。

横浜地方気象台はそもそも山下町にありましたが(当時の名称は神奈川県測候所)、
関東大震災によって建物は消失し、現在の場所に移って、震災復興期末の昭和2年に建設されました。
外観の意匠は、モルタルで仕上げられた外壁に、
簡易なアール・デコの装飾が、かろうじて建物に表情を与えている程度のもの。
しかし玄関部分のみ集中的に凝った意匠になっており、意外とお洒落な印象です。

この建物は、職員増により手狭となり、老朽化等も問題となっておりましたが、
既存建物を生かしながらの増築がなされることが決定しました。
基本設計は、安藤忠雄建築研究所によるもので、
同研究所は、今まで数々の歴史的建造物の増改築に携わってきた実績があり、
果たしてどのようなものになるのか、注目していきたいと思います。(仁木)

Data
所在地:横浜市中区山手町99
構造:R.C.3階 地下1階(塔屋付)
設計:神奈川県営繕(繁野繁造)
施工者:出水組
建築年代:昭和2年





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