保土ヶ谷カトリック教会聖堂

保土ヶ谷区霞台は、少し前までは古い洋館(文化住宅)が数多く建っていたそうです。
磯子や鶴見などと共に横浜第2の山手といったところでしょうか。
その洋館たちも、現在は数棟を残すのみとなりましたが、
当時を偲ぶ素晴らしい建物が1棟残っています。
保土ヶ谷カトリック教会は、木造1階建ての暖かな佇まい。
めまぐるしく変わっていく周囲の景観をよそに、
ゆっくりと時を重ねてきた落ち着きが、建物の表情に満ちています。
設計者は不明ですが、教会はJ.J.スワガーとの関係について調べているとの事です。
(スワガー得意の)R.C.造ではありませんが、
なるほど、意匠的な部分について、いくつかの共通点が見受けられます。

中をのぞいてみれば、ハッとするような驚き。
外観から見て、真四角の礼拝室を想像していただけに、
アーチと列柱の美しさが目に飛び込んできた時には、
ただただ見とれてしまいました。
帰り際、もう一度外観を眺めてから建物を背にしたとき、
「また今度来てみよう...」
そんな気持ちにさせてくれた教会でした。(仁木)

Data
所在地:横浜市保土ヶ谷区霞台40
構造:木造 1階
設計:不明
施工者:不明
建築年代:昭和13年



 

入口上部には十字のステンドグラス

やや地味な外観からは想像がつかなかった内部の美しさ

隣接する司祭館も同時期、同設計者の建物と思われる



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