エキスプレスビル

大桟橋のすぐ近く、まるで映画のセットのようなお洒落な建物があります。
川崎鉄三全盛時の逸品、エキスプレスビルです。
横浜の風景画や写真にも度々登場する理由は、この独特なカラーリングと、
絵になりやすい形、すなわちピクチャーレスクな造形にあると思います。

無駄な装飾が取り払われているという点で、
モダニズム建築は、ある意味建物から表情を奪ってしまいます。
しかしこの建物は、窓の縁取りや、中央の階段室の明かり採りが程良いアクセントとなって、
モダニズムの傾向にありながらも、最低限の味付けを楽しむことができるのです。
私個人、彼の作品中というより、横浜の近代建築の中でも
かなりフェイバリットな建物のひとつにあげています。(仁木)


Data
所在地:横浜市中区海岸通1-1
構造:R.C.3階 地下1階
設計:川崎鉄三
施工者:三木組
建築年代:昭和5年




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