JR小田原駅

JR小田原駅は大正9年に建設されましたが、
その数年後には関東大震災による甚大な被害を受けて、
駅復旧には大改修を余儀なくされたと伝えられています。
とは言うものの、コンコースの大きな半円の窓、それに続くアーチの天井、
三角屋根の外観も愛らしく、多くの人に愛された駅舎でした。
何にしても小田原市政が施行される20年も前からあった駅舎ですので、
小田原の近代化と発展はこの駅舎とともにあり、
私は常々小田原のシンボルはレプリカの小田原城ではなく、この駅舎であると信じておりましたので、
今さらながらの駅開発に伴う駅舎解体のニュースは、まさに寝耳に水という気持ちで聞きました。

2009年現在、JR小田原駅が解体されてから5年が経ちます。
今さら言っても仕方の無いことですが、
当時、県内に存在する戦前の駅舎の中では、意匠的に見る価値のある建築でしたので、
東京駅が建築当初の姿に戻されるように、
もし、この駅も塔屋を復元して、ハーフティンバーの愛らしい外観を取り戻せたなら、
間違いなく小田原のシンボルのひとつとなっていたことと思います。(仁木)

Data
所在地:小田原市栄町1-1
構造:木造1階
設計:
施工:
建築年代:大正9年
備考:

 
  

壊さなくても、駅開発はできたように見えましたが....



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