T邸
(旧Y別荘)

極めて珍しい建築だと思います。
建設当初は4階建て。強風対策として風を受け流す形状のデザイン。
さらに木造に鉄筋補強が施された構造だといいます。
外観は、葉山の海を表現したのでしょうか、波型のコーニスにスペイン瓦。
これが無かったら、建物の表情はかなり違ったものになっていたと思います。
さらに圧巻なのは玄関まわり。
まずは、後から取り付けたような(失礼!)真っ白なコリント式の円柱。
創建時からのものと思われるしっかりとした木造のドアの横には、
左右に3つずつ配された丸窓の明り取り。
1階だけに貼られたスクラッチタイル、きれいな装飾を施した窓格子。
数ある神奈川の戦前住宅の中にあって、
是非ぜひ将来に残していただきたい建築だと思います。(仁木)

Data
所在地:神奈川県葉山町
構造:木3階、地下R.C.1階
設計:
施工者:
建築年代:昭和2年

 
 



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