O邸

葉山の洋館は、基本的に敷地が広く、高い塀に阻まれているため、
よく見えない建物が多いのが特徴で、大磯町の洋館にも同じような傾向があります。
また、逆に、鎌倉や藤沢は比較的確認しやすい建物が多いのですが、
一口に湘南の洋館といっても、地域ごとに様々な違いがあるところが、また興味深いところなのです。

O邸も、高い塀と木々に遮られ、スレートで葺いた屋根と、2階の一部分しか確認することができませんでしたが、
写真でもご覧のとおり、グレードの高い全体像を想像するに、十分足りるものでした。
個人邸としては、県内屈指のものではないでしょうか。
時期は特定できませんでしたが、もともとは東京の麻布にあったもので、この場所に移築されました。
また、当初は住友家の建物だったということです。(仁木)

Data
所在地:神奈川県葉山町
構造:木2階
設計:日高胖
施工者:鹿島組
建築年代:大正6年



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