鹿島建設葉山研修センター
(旧小田良治別荘)

鹿島建設の葉山研修センターは、
明治から昭和にかけて活躍した、実業家・小田良治の元別荘建物ですが、
近代建築愛好家はたびたび彼の名前を耳にします。

それは、彼自身がいくつかの建物の建設に携わったこともありますが、
何よりも、六本木にあった天文台付の本邸や、札幌の邸宅に、
J.M.ガーディナーが関わったことで知られているからです。
ガーディナーの建築は、ここでは細かく触れませんが、
全国的にも現存数が少なく、また、そのいくつかは、国の重要文化財に指定されています。

さて、この葉山別荘は「某アメリカ人」の設計とされていますが、
年代的にみてガーディナーの作品ではないことは確かです。

銅葺き屋根の緑青が良い味を醸していますが、意外とシンプルな外観です。
しかし広い敷地にゆったりと建てられたその様は、実に存在感があります。
中に入った方の話では、内部に関しても特段凝ったつくりになっていないものの、
照明や建具、ステンドグラスなど今では考えられないほど手の込んだものを使っていたとのことでした。(仁木)

Data
所在地:神奈川県葉山町
構造:木造2階
設計:某アメリカ人
施工者:
建築年代:昭和12年




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