横浜うかい亭本館

横浜うかい亭本館は、同店のサイトなどの情報によれば、
明治時代のオランダ貿易商の格調高い館を移築したものとのことで、もともとは加賀百万石の城下町(金沢)にあったとのことです。
そのためか、ご覧のとおり城下町の町並みにマッチしそうな、和洋折衷の風格ある外観であり、県内には数少ないタイプの洋館です。
内装はかなりの改装はあるものの、アンティーク家具などを多く取り入れて、雰囲気はそれらしいものがあります。
また、丸太をそのまま使用した立派な柱梁は、なかなかの見物ですが、
調理場やカウンターなど何トンもあろうかという什器類を支えるほどのものはないでしょう。
おそらく、実質上の構造はR.C.の柱や床が中心となって構成されているのではないかと思います。

この建物を「移築建物」としてとらえて、当サイトに掲載するには、オーセンティシティの観点から、十分ではないように思いますが、
消滅するはずの建築の部材を有効に活用し、近代建築が1件も残っていない大和市に再現されたことは、
大変喜ばしいことでもあり、今回掲載させていただきました。

うかいグループは、このような古きよき優れた和洋の建築を次々と移築復元し、レストラン等に活用しておりますが、
時代を経た建物から放たれるオーラは、何をもってしても得られない力であり、
同社は、そこに集客価値を見出し、早くからこのような事業をはじめている草分け的な存在であります。
こういった動きが一般的にも広まって、多くの建物が残ってくれることに期待したいですね。(仁木)

Data
所在地:大和市つきみ野6-5-2
構造:R.C.2階?
設計:
施工:
建築年代:幕末〜明治初期?



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