平成17年8月1日付け要望書に対し、横浜市長より回答が届きました。

                          市広聴第900543号
平成17年 8月15日

横濱本牧観光協会
 会 長 鶴 田 理一郎 様

横浜近代建築アーカイブクラブ
 代 表 仁 木 政 彦 様

                   横 浜 市 長  中 田  宏



旧スタンダード石油社宅の保存・活用について(回答)

 さきに要望( 平成17年 8月 1日 )のありましたことについて、次のとおりお
答えします。
 なお、都市整備局長あてにいただきました要望書についても、本回答をもって
代えさせていただきます。

 近代建築の保全についてのご意見ありがとうございます。
 現在の文化財指定制度の対象として指定された建造物の範囲は、現在のところ、
本市だけでなく、国をはじめ、他の自治体においても戦前の建築までであるのが
事実であり、当分の間、これを戦後の建築までに拡大することは困難であると考
えています。
 また、国が行っている文化財登録制度は、文化財指定制度が原状の忠実な保護
保存を基本としているのと異なり、活用しながらゆるやかに保存していく制度で、
対象の年代や基準内容、審査手続、保存の形態なども、指定制度に比べて、やや
広く緩やかに考えられており、ご指摘のとおり、レーモンド設計の戦後の建築物
も登録されています。
 しかし、この制度による場合でも、所有者による自主的な保護が前提となるた
め、所有者の同意を得たうえで、文化財保護審議会等による専門の調査を実施し、
登録候補たりうる建物自体の評価を得ることが前提となりますので、現状では困
難な状況と思われます。
 また、本市では、文化財に指定して保存する方法に加えて、歴史的景観の継承
という観点から、本市独自の制度として「歴史を生かしたまちづくり要綱」を定
め、昭和戦前までの建物を対象に歴史的建造物の保全活用を進めています。
 レーモンド設計の旧山手250番館( 旧スタンダード石油社宅、昭和4年建
設)をパークシティ本牧クラブハウスとして場所を移してイメージ復元した事例
をはじめ、移築や外観の一部復原などを含め、所有者の協力や同意を得て柔軟な
対応により、歴史的な景観の継承を図っています。
 戦後の建物については数も多く、評価も定まっていないので、保全活用すべ
き歴史的建造物として扱うことは考えていません。

 この旨ご了承いただき、貴会の皆様によろしくお伝えください。


横浜近代建築アーカイブクラブ
http://www.kindaikenchiku.com/