はじめに

 平成8年10月1日に施行された、文化財保護法の一部を改正する法律により、
保存及び活用についての措置が特に必要とされる文化財建造物を原簿に登録する、文化財登録制度(※注1)が導入されました。
このことによって、従来まで明治期以前の社寺仏閣が中心とされてきた、歴史的建造物に対する文化財的評価の対象枠は大幅に拡大し、
大正から昭和初期、さらには戦後間もなくに建てられた建築物(※注2)までにも、その光が当てられるようになりました。

このような国の動きに対し、一方の民間レベルにおいても、かねてから同様の認識は高まっており、
東京の旧正田邸解体や、滋賀県の豊郷小学校問題などは皆様のご記憶にも新しいところと思いますが、
近年になって、昭和・大正期に建てられた建造物の保存運動等が全国で頻発しています。
しかしそれでも、大半の近代建建物は特に大きなニュースとして取り上げられることもなく、
次々とその姿を消しており、その数と勢いはとどまる所を知りません。

当サイトは、これらの建築物保存の是非を問う前に、まずは地元神奈川に残る近代建築の素晴らしさを、
県内外に向けて、広く発信していきたいと考え、2003年1月1日にオープンしました。
特に、歴史を勉強する小・中・高校生の児童・生徒の皆さんには、
明治維新〜戦後にかけての「歴史の生き証人」を是非見ていただきたいものです。
そのため、できるだけわかり易い解説に、画像をつけて紹介してありますが、何かご質問がありましたらお気軽にお尋ねください。
また、当サイトをご覧になった感想、ご意見等をお寄せいただけたら幸いです。

横浜近代建築アーカイブクラブ


 
※注1 この登録制度は、近年の国土開発・都市計画の進展・生活様式の変化等により、社会的評価を受けるまもなく消滅の危機に晒されている多種多様
かつ大量の近代の建造物を中心とする文化財建造物を後世に幅広く継承していくため、届出制と指導・助言・勧告を基本とする緩やかな保護措置を講じる
制度であり、従来の指定制度(重要なものを厳選し許可制等の強い規制と手厚い保護を行うもの)を補完するものである。(以上、文化庁HPより抜粋。)
  また、登録文化財の登録対象となる要件は、「原則建築後50年以上経過しており、国土の歴史的景観に寄与しているもの、当時の造形の規範となるもの、
再現することが容易でないもの」とされています。

※注2 頭に「近代」を冠している以上、「近代建築」の定義は、時代と共に移り変わっていくものと思われますが、当サイトに掲載する近代建築の対象は、
「西洋の技術・理論・意匠を取り入れた建築物のうち、幕末期〜第二次世界大戦後まもなくに建てられたもの」とさせていただきます。
 

 
 
 当クラブからのお願いおよび免責事項
 
 1.近代建築の見学について
 このサイトに掲載されている建造物は、一般に公開されているものばかりではありません。
 企業や官公庁等が使用している建物、個人が居住している建物等、さまざまです。
 ご見学の際には、建物の居住者・管理者・従業者等のご迷惑にならないよう、特段のご配慮をお願いいたします。
 
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