富士屋ホテル西洋館１号館・２号館

富士屋ホテル西洋館１号館・２号館
(カムフィ・ロッジ、レストフル・コテージ)

富士屋ホテルの西洋館１号館・２号館は、
優雅な明治期の建築様式を今に伝える貴重な建物です。

大型建築である、本館や花御殿の客室も勿論すばらしいのですが、
西洋館は、個人別荘のような雰囲気の提供を売りとしており、
100年も昔の避暑地にタイムスリップしたような、得がたい体験をさせてくれる客室です。

当初の名称は、COMFY LODGE(1号館)、RESTFUL COTTAGE(2号館)といい、
「COMFY」は「COMFORTABLE」の口語体で、「心地よい」の意味。
一方の「RESTFUL」は、「安らかな、落ち着いた」の意味。
つまり１号館は「心地よいロッジ」、２号館は「安らぎのコテージ」ということになりますが、
両者にロッジとコテージの違いはなく、ほぼ双子のつくりの建物です。

外観は白いペンキが塗られた下見板で、
ここにバルコニー付のポーチでもつけば、コロニアルスタイルなのですが、
なんとついているのは唐破風の玄関ポーチ。
しかし、バランス的に無理な感じは無く、むしろ明治の洋館らしい風情で良いと思います。
どこかの寺院の唐門がモデルになっているのでしょうか。

室内は天井が高く、鎧戸付の大きな上げ下げ窓が、
パノラマウインドウのように半六角形状に広がっており、
古い建物には珍しく、内部はとても明るく、
外観的にも、建物の良いアクセントになっています。(仁木)

Data

所在地：足柄下郡箱根町宮ノ下359
構造：木造2階
設計：
施工：
建築年代：明治39年

1号館「カムフィ・ロッジ」
　

2号館「レストフル・コテージ」
　

1号館の客室。天井が高く開放感あふれる室内。
　

2階客室へ上がる階段。赤の絨毯が映える。
　